MCLSコースでは、
「災害モードのスイッチを、自分、部下・同僚、指令・上司に入れる!」
ことの重要性を伝授しています。
本日の事後検証会。
病院直近で起きた事故災害の対応をみんなで検証しました。
「災害モードのスイッチを入れる!」と言っても、組織で活動するには基準やルールがあって難しい部分もあります。
某ドラマのように毎度毎度災害が起こるわけではなく、ほとんどの人にとって初めての経験になるわけで、第一報の段階で、災害対応の基準にあてはまるかどうか判断するのは難しいと思います。「これ、やばくない?いつもの救急と違うよね」と感じた時点(もちろんこの感性がないとだめですが・・・)で、やはり、スイッチを入れて災害モードに切り替えないと、私たちの最大の使命である「人命救助」ができなくなってしまう。
今回の事案は、消防さんも病院も地域も早い段階で災害モードに切り替えて対応ができていたと思いますが、「基準」と「現場の判断・認識」あたりでの検証が必要でした。
ちなみに私の恩師は某F県で局地災害が起きた場合のDMAT派遣や医師派遣要請は、消防さんが必要だと感じたら要請すればいい。要請理由は後付けで何とかなる、いや、何とかする。基準は大事ですが、災害はいつどこでどんなふうにおこるかわからないので、オーバートリアージを許容し、臨機応変に、柔軟に解釈しましょう、と。
これは、恩師の奥義「責任分散の術」の一つではないか?
「災害モードのスイッチを押す」ことを個人や一つの組織が責任を負うのではなく、メディカルコントロールを含めた地域全体で責任を負う。責任を分散することで、現場が背負うものを軽くし、スイッチを入れやすいようにする。
地域の中で臨機応変に、柔軟に対応できる環境や認識を持っておくことが大切かなあと思います。
「スイッチを入れてCSCATTT」
唱えるは易し、行うは難し!
救急科 まろきち