今日は、菊川市消防さんと御前崎市消防さんの合同訓練にドクターヘリチームとして参加させてもらいました。
2つの事案を消防さんと一緒に活動してきました。どちらも複数傷病者かつ重症(赤)が複数名発生した事案でした。消防さんの指揮下で、自分たち、医療の専門性をどのように生かすのか。若い頃は、上級医の指示に「はい!」とだけ言って最前線で体動かして汗かきながら活動すればよかったのですが、歳をとると、指揮所で医療の指揮官として他組織の方々と調整を図ったり、「はい!」と言ってくれる若い衆に指示を出して任せたり、CSCATTTの最後のT、すなわち搬送について、どの傷病者を、どの病院に、どうやって搬送するのか、頭をフル回転で使って戦略を立てて、戦術を練らなければならない。嫌な汗が背中を伝いました・・・。
少し前に、NHKの「先人たちの底力 知恵泉」という番組で、「家康をつくった“三方ヶ原の戦い” 失敗こそ成功への指針」 という放送がありました。私たちの病院がある地域がまさにその場所です。家康が武田信玄に大敗し、命からがら浜松城に逃げ帰った合戦です。家康が、三方ヶ原での敗戦直後に自戒のため描かせた「徳川家康三方ヶ原戦役画像」が有名です。(諸説あります)失敗を次の成功に生かす姿勢は学ぶべき姿と思いました。
今回の訓練で、私は戦略の甘さを指摘されました。戦術に走ってしまい、大きな絵図を描けなかったことが反省点です。自戒をこめてしかめっ面の自分の絵は描いていないですが、社会人大学院の課題で描いている絵日記に今日の訓練を書き留めておこうと思います。
救急科ローテート中の研修医の山田先生は、「はい!」と元気よく返事して、4人の模擬傷病者に挿管を行ってました。私や矢野先生から「スーパードクターだね~」と言われてちょっとご満悦な感じでしたが、実際はそんな簡単ではないこともわかっていて、「実際は鎮静ってどの薬を使うんですか?」と次につなげようとしていました。後期研修医の竹内先生は、緊張性気胸に対する小開胸を行い、フライトナースOJTの吉岡さんは、杉山ナース、石田ナースから、フライトナースが行う方々への連絡について教わっていました。「こうしておけばよかったな」と感じたことを、ひとりひとりが実際の現場活動で生かしていけるようにしたいです。
次につながる、得るものが多い訓練を企画し、一緒に活動しましょうと声をかけてくださった菊川市消防、御前崎市消防の皆様、ありがとうございました。
救急科 まろきち