雨の日のフライト

ドクターヘリ

Maxyです。
ドクターヘリからの写真を失礼します。
左半分の山が暗くなり、雲の影が差しています。
雨雲の下を飛行するのは珍しいので、神秘的と感じたこともあって写真を撮りました。
この日は微妙な天候の中を、3年目OJTの竹内先生とフライトしました。

有視界飛行

『ドクターヘリって、雨の日も出動できるの?』と聞かれることがあります。
雨の日は出動しないことが多いですが、厳密に言えば晴れか雨かで決まっているわけではありません。
ヘリを運行できるかどうかは、天候と視界が決めます。

天候:風が強い日は運行できません。浜松は風の強い日が多いです。

視界:ドクターヘリは『有視界飛行(ゆうしかいひこう)』の原則があります。晴れていても、霧で1マイル先が見えないときは運行できません。飛行中の視野が安全である場合にドクターヘリが活躍します。

連携!

この日の聖隷三方原病院上空は晴れていましたが、ドクターヘリ要請は浜松市の北、山間の地域でした。
山間の地域では雨脚が徐々に強まってきていました。
視界も徐々に悪くなり、短時間で現場を離脱しないとドクターヘリが飛行できなくなるという条件がありました。
もうひとつ、当院では脳神経対応が多忙で、脳卒中のケースに対応することが困難でした。

ヘリ要請のファースト・コールは脳卒中を強く疑う情報。
飛行中のヘリから地上の救急隊に、「脳卒中の疑いで受け入れられる、陸路で行った場合に最短の病院に、受け入れ要請をお願いしたい。」と伝えました。
『陸路で最短』の条件は、ご家族が当日も含めて今後、通院するために現地から陸路で最短が好ましいからです。

ドクターヘリが到着したときには、救急隊の方によって受け入れ先病院が選定できた、という状況でした。
ドクターヘリのスタッフで患者さんを診療し、確かに脳卒中が疑われることを確認しました。
すぐに患者さんをドクターヘリに移し、ご家族の方に受け入れ先の病院に向かってもらうことを確定させ、最短時間で現場を離脱して受け入れ病院に搬送しました。

無事に天候が崩れる前に現場を離脱し、時間との勝負である患者さんを受け入れ先に搬送できました。
これは先着した救急隊が受け入れ病院を迅速に選定して下さったこと、受け入れ先の病院の皆さまが多忙な中で受け入れを快諾してくださったことがあって、実現したミッションでした。
ドクターヘリ診療にご協力いただいた皆様に、感謝を申し上げます。

Maxy

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